英単語は語源から

英和辞典を見ただけでは、英単語の本当の意味は分かりません。英語と日本語が1対1で対応するわけではないからです。英単語の語源を知ると、英単語の真の姿が見えてきますよ。 英単語の語源を知って、語彙力、英語力を高めていきましょう。

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【principle】

principle という英単語は「原理原則」という意味で理解している方が多いと思いますが、「主義行動の基準根本方針」という意味もあるんですよね。実際こっちの意味の方が重要なんですよね。

Oxford Dictionary of English を見ると、principle という英単語は普通次の意味で使われると書かれています。

a fundamental basis of a system of thought or belief

思考体系・信念体系の基盤


「俺は女性には優しくする主義なんだ」とか言ったりしますよね。この主義ですよ。常に基盤となっている考え方・信念・基準ということですね。


principle という英単語は、ラテン語で prince(王子=第一の場所を占める人) を意味する priceps の派生語である principium(= beginning, origin, source)という語に由来しています。

「はじまり、起源、源」
 ↓      ↓
「基盤」   「はじめにあるもの」→「原理、原則」
 ↓             
「思考体系・信念体系の基盤」
 ↓
「主義、行動の基準」

こんな感じですね。

principle という英単語のイメージがつかめましたか?


発音が全く同じである principal主要な校長」も一緒に覚えておきましょう。

principal も prince から来ている言葉ですので

「第一の」
  ↓
「第一にくる」→「第一に来る人」→「校長」
  ↓
「主要な」

という意味になるんですね。

principal は、形容詞で使うのが普通ですね。


2007年01月18日 16:35 | コメント(14254) | トラックバック(0)

【eccentric】

ロングマン現代英英辞典の定義では

behaving in a way that is unusual and different from most people;
普通とは異なり、大抵の人とは違ったやり方で振舞っている

となっています。

英和辞典には、「風変わりな一風変わった」などの訳が書かれていますね。


この eccentric 英単語は、語源で見れば一発で覚えられますよ。

ec + centr + ic

と分解でき、ecex(外へ、外に)の変形、centr は center(中央、中心)、そして ic は形容詞語尾です。

つまり、

「外へ」 + 「中心」 + 形容詞語尾

であり、

中心から外へ出ている 」という意味を持つ英単語なんです。

「中心から外へ出ている」
   ↓
「大多数からは外れている」
   ↓
「普通とは違う」
   ↓
「風変わりな、一風変わった」

となるわけですね。


また、eccentric は名詞としても使われ、「一風変わったもの(人)」を表します。


2007年01月16日 17:09 | コメント(9150) | トラックバック(0)

【destine】

destine という英単語は、be destined to do, be destined for という形で「〜する予定となっている、〜する運命にある、〜行きである、〜にあてられている」という意味で使われます。


Sooner or later the boy was destined to meet her.
いずれその少年は彼女に出会う運命であった

These products are destined for commercial use.
これらの製品は商業的なものに使用されます。
(これらの製品は商業的な使用にあてられます

いろいろな意味があっていやだなぁ、と思われるかもしれませんが、いつも通り中心イメージはひとつです。

destine は、ラテン語の動詞 destinare「〜を(しっかりと)固定する、〜を据える」に由来しているんです。ですから中心イメージは「〜をしっかりと固定する」です。

よって、be destined to do, be destined for は「〜に固定されている」というイメージなんです。

「〜に固定されている」
   ↓
「そういうことになる」
   ↓
「〜する予定となっている、〜する運命にある」


「〜に固定されている」
   ↓
「〜の方向に固定されている」
   ↓        ↓
「〜行きである」  「〜にあてられている」


となるわけです。

日本語はいろいろですが、be destined to do, be destined for は結局「あるものに向けられて固定されている(定められている)」ということです。

2007年01月08日 12:34 | コメント(6350) | トラックバック(0)

【fine】

今回の英単語 fine は多義語ですね。

I am fine. というのを中学校で習いますから、「元気な」という意味はみなさんご存知ですね。

それから、天気について、fine を使うと、「晴れた、好天の」という意味になりますね。

すばらしい、見事な、美しい」という意味で使うときもありますね。また、粒などを言い表す場合には、「きめの細かい、細かい」という意味ですし、文体なんかだと「洗練された」という意味になりますね。

さらに、「罰金」、「〜に罰金を科す」という意味もあり、多すぎて困ってしまいますね。

でも、語源から見て行くと、全てが繋がって来ますよ。安心してください。


正確に言うと、「元気のある、すばらしい」という意味の fine と、「罰金、〜に罰金を科す」の fine では、間に入ったフランス語は違うのですが、どちらの fine も、ラテン語の finire (= finish 〜を終わりにする) に由来しています。

フランス映画の最後に、fin という単語を見たことがみなさんありますよね。あれば end という意味です、「終わり」ですね。

そうなんです、英単語で fin を含むものは、ラテン語の finire (= finish 〜を終わりにする) との繋がりで「終り」をイメージできるんですね。

fine は、refine (〜を精製する) との関連で、「精錬されたもの ← 不純物をとって終わりにされたもの」という意味が元にあり、そこから「 (品質の) 優良なもの、(金属が) 純良なもの」として英語では最初に使われたのです。

「 (品質の) 優良なもの、(金属が) 純良なもの」
    ↓
「すばらしい、見事な、美しい、きめの細かい、洗練された」
    ↓
「健康な、元気な、晴れた」

というように意味が拡大したんです。


「罰金」の方の意味はどうかというと、

ラテン語の finire (= finish 〜を終わりにする)
    ↓
(規則違反を終わりにする)
    ↓
(罰金を払って規則違反を終わりにする)
    ↓
「〜に罰金を科す」→「罰金」

となったわけですね。


fine の意味がよく分かったでしょ。一緒に refine「〜を精製する、〜を純化する ← (re)繰り返し + (fine)終わりにする」も覚えておきましょう。

2007年01月05日 13:19 | コメント(13589) | トラックバック(0)

【zest】

この英単語は、「熱意、沸き立つ喜び」という意味で使うことが多い単語なんですけど、他にも意味があります。少しずつ見ていきます。

zest は、フランス語の zeste(=orange or lemon peel オレンジやレモンの皮)が英語に取り入れられたものです。

どうして「オレンジやレモンの皮」が「熱意、沸き立つ喜び」という意味になるのか不思議ですよね。

実は、英語の zest にも「オレンジやレモンの皮」という意味があるんです。元々フランス語の zeste「オレンジやレモンの皮」は何かに風味をそれるために使われたので、英語では

オレンジやレモンの皮
    ↓
風味を添えるもの

として使われるようになり、さらに

「風味を添えるもの」
    ↓
興や趣を添えるもの

となり、続いて興つながりで

「興を添えるもの」
   ↓
熱心な興味、熱意」 

となり、さらに、熱心な興味=心の内から出てくるもの 
                       ↓
                   「沸き立つ喜び

を表すようになったのです。時間を経るとともに、意味が拡大していったんですね。

「オレンジやレモンの皮」から「熱意、沸き立つ喜び」につながりましたか。


zest の意味をまとめると

オレンジやレモンの皮
風味を添えるもの、興や趣を添えるもの
熱意、強い興味
沸き立つ喜び

また、動詞として「〜に風味(興味)を添える」という意味でも使います。

2007年01月03日 12:49 | コメント(9028) | トラックバック(0)